日本財団 図書館


(ii)デリベリバルブの耐圧テスト
a)プランジャ耐圧テストと同様にして、圧力計の指示が約120kgf/cm2になったら、ラックをゼロヘ戻しテスタを停止する。
b)圧力が100kgf/cm2から90kgf/cm2まで降下する時間を測定し、10kgf/cm2の降下時間が20秒以上であれば良い。
c)降下時間が早い場合は、デリベリバルブを洗浄して再テストし、それでも早い場合は新品と交換する。
(注)デリベリパッキンは、新品と交換しておく。また、圧力時間等についてはメーカの指示によること。
(ハ)コントロールラックとピニオン
コントロールラックを手で動かし軽く円滑に作動すれば良い。途中で固くなったり動きが悪い場合はラックの曲りやこじれ、ピニオンの変形、噛み合い不良などが原因であり点検し修正する。ピニオンの変形や噛み合い不良は交換する。
(ニ)噴射時期の調整
燃料の噴射時期は、プランジャとプランジャバレルの上、下の相対位置を変えることによって調節でき、以下に示す方法で行れる。
a)噴射ポンプ本体の取付位置(プランジャバレル)をシムにて上、下させる方法。
単独ポンプに用いられる方法でポンプ本体の取付面に、調整シムを入れ、その厚さを加減して行なう。ポンプ本体の取付シムの厚さを少くすれば噴射時期は早くなり、シムを増せば遅くなる。これは簡単で安上りではあるが噴射ポンプの取外し、取付けを伴うため小形にしか用いられない。
b)プランジャをネジにて上、下させる方法。
これは列形、単独形のいずれにも用いられている方法であり、2・94図(a)に示すタペットの長さを調節ネジで変化させ、プランジャの上、下位置を変える方法である。この方法はシリンダ毎に噴射時期を調節する場合に用いられる。
列形ポンプの場合は、サイドカバーを外して行うがシリンダ毎の噴射時期が狂った時はポンプテストスタンドに取付けて調整する。
c)噴射ポンプ本体の取付け角度を変える方法。
列形噴射ポンプの場合に用いられる方法であり、2・94図(b)に示すとおりポンプの本体取り付け角度を若干変更して、一度に全シリンダの噴射時期を調節する。カム軸の回転方向へ噴射ポンプ本体を廻すと、噴射時期は遅くなり、反対側へ廻すと早くなる。
そのほかポンプカム軸接手の取付ボルトを弛めカム軸を若干回転させて、一度に全シリンダの噴射時期を調節するタイプもある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION